SNS採用とは?インスタ・TikTokを使った成功事例と中小企業向け始め方ガイド
「SNSで採用できると聞いたけど、何から始めればいいかわからない」
「TikTokやインスタを使っている会社があるらしいが、うちみたいな中小企業でも本当に効果があるの?」
そんな疑問を持っている採用担当者や経営者の方に向けて、この記事ではSNS採用の基本から具体的な始め方、実際の成功事例までを丁寧に解説します。
結論から言えば、SNS採用は中小企業こそ取り組むべき手法です。大手が億単位の広告費を使う求人媒体の世界では、中小企業はどうしても埋もれてしまいます。
しかしSNSは、大手も中小も多少の差はあれど同じ土俵で、しかも日常に紛れ込んで、予算よりも「コンテンツの質」と「継続性」で勝負できる場です。
目次
SNS採用とは?求人広告との違い
SNS採用とは、Instagram・Threads・TikTok・X(旧Twitter)・YouTubeなどのSNSプラットフォームを活用して、求職者に自社の魅力を発信し、応募につなげる採用手法のことです。
従来の求人広告(Indeed・マイナビ・リクナビ等)との違いは、大きく3点あります。

資産になるかどうか
求人広告は「掲載期間中だけ」効果があります。掲載をやめれば、翌日から応募はゼロになります。一方、SNSアカウントは運用を続けるほど投稿が蓄積され、フォロワーが増え、会社への興味関心を持った候補者プールが形成されます。半年・1年と続けるほどに、採用資産として機能し始めます。
誰に届くか
求人媒体は「今すぐ転職したい」アクティブ層にしか届きません。SNSはまだ転職を具体的に考えていない「潜在層」にもリーチできます。「なんとなく気になっていた会社から応募してみようかな」という状態を作れるのがSNS採用の強みです。
データで見ても、転職活動中の社会人を対象にした調査では、*SNSで得た情報が理由で企業への志望度が変化したと回答した人が全体の81%*にのぼりました。SNSが「転職を決意する前の段階」からすでに求職者の意思決定に影響を与えていることがわかります。
出典:Thinkings株式会社「就職活動・転職活動におけるSNS利用実態調査」(2025年7月)
SNSが就活・転職を動かす時代へ──志望度の変化、約8割が“情報の影響”を実感/Thinkings株式会社による調査|求人ボックスジャーナル
情報の深さ——中小企業が「条件以外」で戦える唯一の場所
求人広告に書けるのは、仕事内容・給与・勤務地といった基本情報が中心です。しかしこの「条件」の土俵で戦う限り、中小企業に勝ち目はほとんどありません。給与・福利厚生・知名度、どれをとっても大手企業には敵わないからです。
SNSでは、職場の空気感・社員の人柄・日々の仕事風景・社内イベントなど、「この会社で働くリアルな姿」を届けられます。条件ではなく「ここで働きたい」という共感や信頼感で選ばれる採用が実現できます。これは中小企業にとって、大手と真っ向から戦わなくて済む唯一の差別化ポイントでもあります。さらに、入社後のミスマッチが減り、離職率の低下にもつながります。
なお、SNS採用に取り組む企業は急速に増えています。マイナビの調査によると、企業が採用活動においてSNSを活用している割合は、2021年卒採用では14.3%だったのに対し、2025年卒採用では26.3%と、4年間で約12ポイント上昇しています。
出典:株式会社マイナビ「マイナビキャリアリサーチLab SNS就活最前線(第2章)」(2025年2月)
SNS就活最前線!SNSを活用する企業について(第2章) | マイナビキャリアリサーチLab

SNS採用のメリット・デメリット
メリット
採用コストの大幅削減につながる
SNS運用そのものに媒体掲載料は発生しません。人材紹介会社に支払う紹介手数料(採用者年収の30〜35%が相場)と比較すると、継続的なコスト削減効果は絶大です。
実際にDearToが支援した介護施設の事例では、それまで人材紹介経由の採用が中心で年間採用費が約1,800万円かかっていました。採用サイトのSEO強化・インスタ・TikTok運用・公式LINEを組み合わせたところ、年間採用費を約1,000万円まで圧縮し、800万円のコスト削減を実現しています。
求職者との接点を長期的に持てる
SNSのフォロワーは「いつか働いてみたい」という候補者の宝庫です。求人を出した瞬間だけでなく、常時関係性を温めておける点が他の採用手法にはない強みです。
採用ミスマッチが減る
SNSを通じて会社の雰囲気を知った上で応募してくる候補者は、入社後の「思っていたと違う」というギャップが少ない傾向にあります。
私も驚きましたが、実際に採用活動を進めていると求人媒体で来る求職者よりも熱量の高い人材と出会うことができます。先述の介護施設の事例でも、SNSとサイトからの採用後に離職率が6%低下しました。我々だけの成果ではなく、人事担当者様の日々のフォローアップなどがあり実現しているのですが、それでも入口の改善としての機能は果たせていると思われます。
デメリット・注意点
即効性はない
SNS採用は「今月中に採用したい」という緊急ニーズには向きません。フォロワーが積み上がり、認知が広がるまでには最低でも3〜6ヶ月はかかります。
稀に1~2ヵ月目に採用が決まることもありますが、そこを期待する媒体ではありません。
継続的な運用リソースが必要
投稿を止めると入口としての機能が弱まります。週1〜2回の投稿を継続するためのネタ出し・撮影・編集の体制を社内または外部に持つことが必要です。
「採用専門でSNSを運用できる会社」はほとんどない
社内リソースが難しい場合、SNS運用を外部に依頼する選択肢もあります。しかし大きな落とし穴があります。SNS運用代行会社は数多くありますが、「採用に特化してSNSを運用できる会社」は実は数少ないです。
一般的なSNS運用代行はブランディングや商品PRを得意としており、採用文脈でのコンテンツ設計や求職者心理への理解が乏しいケースが多いです。
また、業界ごとの特性(介護・建設・医療福祉など)を理解した上で運用できるかどうかも、成果に大きく影響します。
実際にDearToが支援した建設業界の企業様では、以前にTikTok専門運用会社3社に依頼していましたが、いずれも採用の応募は0件という結果でした。SNS運用の技術はあっても、採用設計ができていなかったり、採用に関する知識が不足していたためです。
手前味噌ではありますが、DearToでは採用に特化したSNS運用を一貫して行っており、介護・医療福祉・建設・設備・営業職など多様な業界での支援実績があります。「どこに頼めばいいかわからない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

インスタ採用の始め方【アカウント設計の基本】
採用SNSの中でも、現在もっとも取り組みやすく成果が出やすいのがInstagramです。文字・写真・リール(縦型動画)を使い分けられ、20代〜40代の求職者への接触に特に強みがあります。
ステップ1:採用専用アカウントを作る
既存の会社アカウント(商品・サービスPR)と採用アカウントは分けることをおすすめします。
「採用サイトに訪れて応募してほしい」といった最終的な導線が、集客目的と採用目的で混同してしまうとユーザーが迷ったり、発信がどっちつかずになってしまい、ユーザーが定着しない原因ともなります。
ステップ2:プロフィールを整える
プロフィール欄は採用アカウントの「顔」です。以下の要素を必ず入れましょう。
- 会社名・業種・どんな人を求めているか
- 採用サイト・公式LINEへのリンク
- 「採用情報はこちら」などの一文で取ってほしい行動を明確化
ステップ3:「認知・採用訴求・ファン化」3軸で投稿を設計する
採用インスタで多くの会社が陥る失敗は、「社員インタビューを出してみた」「職場の写真を上げてみた」という単発の企画を繰り返してしまうことです。
大切なのは、求職者が「初めて知る」→「気になる」→「応募してみようかな」という流れを意図的に設計することです。
そのために投稿を以下の3軸で構成します。

① 認知用の投稿
簡単に言えば、まだ会社を知らない人に「なんか面白そう」と思ってもらうための投稿です。仕事のダイナミックな場面・職場あるある・働く人のユニークなキャラクターなど、思わず見てしまうコンテンツを作ります。
② 採用訴求用の投稿
会社に興味を持った人が「自分でも働けそうか」を判断するための投稿です。給与・待遇・働き方・入社後のキャリアパスなど、転職の意思決定に必要な情報を届けます。
③ ファン化用の投稿
「この会社で働きたい」という気持ちを育てるための投稿です。社員の日常・チームの雰囲気・会社の価値観・社内イベントなど、感情的な共感を呼ぶコンテンツを積み上げます。
この3軸をローテーションすることで、投稿ネタに困ることがなくなるとともに、フォロワーが段階的に「応募候補者」へと育っていきます。
ステップ4:認知を広げるならショート動画(リール)一択
InstagramもTikTokも、現在のアルゴリズムはショート動画を圧倒的に優遇しています。写真や文字投稿と比べると、表示回数の桁が違うといっても過言ではありません。
100万回の表示回数を目指すなら、ショート動画以外の選択肢はほぼないのが現状です。
さらに重要なのは、アカウントを立ち上げたばかりの状態でも、ショート動画なら再生数を狙いやすい点です。フォロワーがゼロのアカウントでも、良い動画を出せば一気に認知を広げることができます。認知を取りに行くフェーズでは、リールを中心に据えることをおすすめします。
インスタ・TikTokの使い分けと運用戦略
「インスタとTikTokどちらをやるべきか」という質問をよく受けますが、答えは「原則、両方やる」です。
InstagramのリールとTikTokは、同じ縦型ショート動画という共通フォーマットを持っています。つまり一度撮影・編集した動画を両方に投稿することができます。
片方だけに絞るメリットはほとんどなく、最初から両方運用するのが効率的です。さらにYouTubeショートへの同時投稿も、運用に余裕が出てきたら視野に入れましょう。
インスタとTikTokのどちらで採用できるかは、「業種」で一概には決まりません。正確には「ターゲットとする求職者層がどちらのプラットフォームに多くいるか」によります。
DearToの支援実績では、建設・設備業界ではTikTokの方が採用につながりやすく、介護業界ではInstagramの方が採用できているという傾向はあります。ただしアカウントの作り方や地域によっても変わるため、運用しながらデータを見て判断することが重要です。
こちらの運用データによって、SNS広告を配信する場合も、どちらの媒体に予算を多くかけるか、などの判断材料とすることができます。
一方で、XやThreadsは動画メインのプラットフォームではないため、もし仮にInstagramやTikTokといったSNS採用を始める段階では優先度を下げることをおすすめします。リソースが分散するデメリットが大きいです。
なお、Threadsはアカウント立ち上げ直後でも表示回数が伸びやすいという特徴があり、業界・用途によっては面白い選択肢になります。
また、Xは文章媒体として以前から活用されている媒体となるため、資格取得の必要な職種や、エンジニアの採用などで効果を発揮します。
いわゆる“界隈”がXのなかに存在するかが重要です。
SNS採用成功事例(介護・建設業界)
事例1:介護施設|SNS+LINE+採用サイトで応募数4倍
課題
採用者のほとんどが人材紹介経由で、1件あたりの採用コストが高く、紹介会社に依存した状態から抜け出せずにいました。また、紹介経由の採用は会社理解が浅いまま入社するケースも多く、ミスマッチによる早期離職も課題でした。
施策
- 採用HPのSEO強化・コンテンツ改修・応募導線の見直し
- Instagram・TikTokの採用アカウント開設・運用
- 公式LINEで「募集待ちリスト」を構築し、候補者をナーチャリング
結果
- HPからの応募数が**前年9人→38人(約4倍)**に増加
- 採用費を年間1,800万円→約1,000万円(800万円削減)
- 人事直通LINEの登録者数52人
- サイト・LINEからの採用11人
- 離職率6%低下
事例2:設備会社(建設系ニッチ業界)|TikTok+採用ブランディングで12ヶ月8名採用
課題
創業以来、採用に困り続け、「応募が来るかどうかは運次第」と半ば諦めていた状態。
それまで6社の求人広告代理店、3社のTikTok専門運用会社に依頼してきましたが、TikTok専門会社では応募0件、求人広告でも半年に1件という結果が続いていました。
施策
- 採用ブランディング
- 採用ページ制作
- 月3万円程度の少額求人広告
- TikTok月8投稿
結果
- 開始12ヶ月で36人応募・8人採用
- 過去どの会社も解決できなかった「応募が来ない」問題を解決
この2つの事例に共通するのは、SNSを単体で使っていない点です。
採用サイト・求人広告・LINE・SNSをそれぞれ「入口・出口・教育」の役割に分けて設計し、一貫した仕組みとして機能させたことが成果につながっています。
中小企業がSNS採用を成功させる3つのポイント
ポイント1:動画(インスタ・TikTok)は最初から両方で始める
「リソースが分散するから1つに絞ろう」という考え方は、インスタとTikTokに関しては当てはまりません。前述のとおり、縦型ショート動画は一度作れば両方のプラットフォームに投稿できます。最初から両方に出すことで、倍の露出を得ながら運用の手間はほぼ変わりません。
ただしXやThreadsなど、動画フォーマットが主軸でないプラットフォームは別の話です。始めたばかりの段階では動画メインのプラットフォームに集中し、運用が安定してから拡張を検討しましょう。
ポイント2:「誰に刺さるか」を言語化してからコンセプトを決める
SNS採用でよくある失敗が、「採用コンセプトを決めよう」という話になったとき、自社目線で「うちはこういう会社だ」と発信を始めてしまうことです。
正しい順序は逆です。まず「求職者がなぜ転職を考えているのか」「何を不満に思っているのか」「転職先に何を求めているのか」を徹底的に言語化します。その上で「自社が提供できるものは何か」と照らし合わせ、両者が重なるポイントを採用コンセプトとして設定します。
たとえば「給与を上げたくて転職を考えている層」がターゲットなら、給与水準や昇給実績を前面に出すコンテンツが刺さります。「人間関係に疲れた層」がターゲットなら、チームの雰囲気や社員インタビューを中心に据えます。「誰に・何を刺しにいくか」が明確になってこそ、コンテンツに一貫性が生まれます。
ポイント3:SNS単体に頼まず、導線全体を設計する
SNSは採用の「入口」に過ぎません。どれだけSNSのフォロワーが増えても、その先の採用サイトが分かりにくければ応募は来ません。採用サイトへの導線が整っていても、応募フォームへのステップが多ければ離脱されます。
SNS運用の専門会社に依頼する際に特に注意が必要なのはここです。
SNS運用会社は「SNSの数字(フォロワー数・再生数)」を最適化することは得意ですが、採用サイトのCVR改善・応募後の候補者教育・LINEでのナーチャリングまでは担当しません。つまり導線の一部分しか見ていない状態で運用が進んでしまいます。
採用をSNSで成功させるためには、SNS(入口)→採用サイト(出口)→LINE(教育・ナーチャリング)という流れ全体を一気通貫で設計・改善できるパートナーを選ぶことが、成果への最短距離です。

SNS採用が特に効果を発揮する職種・注意が必要な職種
特に効果が出やすい職種・業種
SNS採用は、未経験OKで間口が広い職種、あるいは現場の魅力が映像で伝わりやすい職種で特に高い効果を発揮します。
設計を工夫が必要な職種
資格が必要で就業人口が少ない職種(例:特定の士業・専門職)は、そもそもSNSを転職活動に使っている母数が限られるため、SNSを「入口」として機能させるのが難しいケースがあります。
こうした場合は、SNSを入口ではなく「信頼感の補強」として使う設計が有効です。
求人媒体を入口にして採用サイトへ誘導し、サイトを訪れた求職者がSNSも確認するという流れを作ることで、SNSが採用の「後押し」として機能します。
逆に言えば、未経験歓迎・学歴不問・業界未経験OKといった間口の広い求人であれば、業界を問わずSNS採用の効果は高くなる傾向があります。
まとめ
SNS採用は、中小企業にとって「採用を掛け捨てから投資に変える」最も現実的な手段のひとつです。条件面で大手に勝てない中小企業が、「この会社で働きたい」という共感で選ばれるための武器がSNSです。
ただし、SNSだけを単体で動かしても成果には限界があります。採用コンセプトの設計→SNSでの認知形成→採用サイトへの誘導→LINEでのナーチャリングという一連の流れを設計して初めて、採用の「資産化」が実現します。
「何から手をつければいいかわからない」「自社に合ったSNS採用の設計を知りたい」という方は、まず私たちDearToが作成した「ズルい採用の教科書」をダウンロードしてみてください。SNS採用を含めた採用マーケティングの全体設計を、中小企業向けに体系化した無料資料です。
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